民間主体で地域連携

 北東北は今、人口減少、高齢化社会高度情報化社会の到来、環境問題などが社会問題などが社会問題となってくる中で、地域の活力を維持し、暮らしやすい環境を整える方法として、新たな地域間の「交流・連携」が注目され、国における計画である21世紀のグランドデザインのなかでも重要なキーワードとして位置付けられている。
 秋田県・岩手県では、早くから「地域連携」の議論、活動が進められており、その中で民間主体で地域連携の推進組織として発足したのが北東北交流連携倶楽部。倶楽部では「地域からの発想」で北東北地域(秋田〜角館〜盛岡〜宮古の周辺地域)の地域づくりを進めており、行政と協力し合って民産官学の新しい連携が深まる仕組みをつくり、実践することを目的としてる。

国道46号と国道106号をコアに

 横軸交流の基本は秋田の日本海と岩手の太平洋を結ぶ道路。大きな柱に国道46号と106号がある。しかしこの国道だけが共有する課題に取り組むのではなく、その基幹道に連結する県道、市町村道、農道が極めて重要な役割を果たす。基幹道につながるすべての人々との交流も促進し、その事が北東北の産業活性化のベースとなる観光産業の発展につながるのである。
 利権ではなく、地域発展につながる活動こそが将来の横軸地域全体のメリットに結びつくであろう。
 文化芸術活動の交流支援もその一つ。また会員間のパワーを結集して情報がスムーズに入手できるようにする事も計画の一つである。ハードよりソフト、こころの交流を目指している。

会員が核となり、地域の有意義な有形、無形の資産を活用

 倶楽部では、観光産業に生産者を有効にジョイントする、地域の伝統産業に地域特色を十分に打ち出せるグランドデザインを加える、次世代が誇りに思える活力あるエリアを創造する、単独の地域文化を交流により、より魅力的な文化として育てる、JRと道の連携を強化し、全国の見本となるモデル周遊コースを創る、全国の流通事業者に魅力ある横軸交流商品をPRする、など会員の持つ情報力や機能を活かせる共有テーブルを設けている。さらには各地の行政との連携を働きかけ、より実現性の高い企画にまとめている。
 横軸といっても総延長距離は400キロを超える長さ。単に情報を発信するだけの交流は長続きしない。そこで、中間点にある「プラザおでって」が交流の場として活用している。さまざまなサロン活動、情報展示、物産紹介などその利用範囲は豊富。会員には個人にでも北東北交流連携倶楽部として支援し、「プラザおでって」での事業トライを応援している。

リンク
いわての文化情報大事典(いわての街道)