南部木挽唄
特徴
岩手県内には「木挽唄」と名のつくものが遠野・気仙・沢内・江刺地方などに数曲ある。「南部木挽唄」は西和賀町沢内のもの。安代町(現 八幡平市)・岩泉町・雫石町・西和賀町沢内・遠野市などの「渡り木挽き」と呼ばれるグループが、木挽職人として各地を渡り歩いたことから広まった。
名称 | 南部木挽唄 |
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発祥地 | 遠野市 西和賀町沢内 |
歌詞 |
ハァー木挽居たよだ 何の因果で 木挽にほれた 大工さんより 木挽がにくい 親方金借せ 鋸の目が欠けた わたしゃ南部の 奥山育ち 木挽因果なもの 女と堅木 木挽さんより 大工さん可愛い 大工木挽が 此の世になけりゃ |
夏油木挽唄
特徴
大正時代に発祥したと思われ、昭和54年に発掘された。夏油木挽唄は、「渡り木挽き」のうちの「板木挽き」の唄で、大鋸で大木を挽く音を掛け声として「センコ、センコ」と唄っている。
名称 | 夏油木挽唄 |
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発祥地 | 北上市 |
歌詞 |
ハァーサイコサイコと ハァーおれと行かねか ハァー一枚二枚と |
南部山子唄
特徴
「山子」とは木挽きや炭焼きを職業とする人のことで、盛岡から遠野に向かう旧釜石街道筋の紫波町東部や花巻市大迫町で唄われた山働きの人々の唄。一説には、稼ぎに来ていた山形県の木挽き衆が唄っていたものが大迫で作り変えられたものと思われる。
名称 | 南部山子唄 |
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発祥地 | 紫波町東部 花巻市大迫町 |
歌詞 |
(ハイー ハイー) ハァー今朝も早うから (ハイー ハイー) ハァー今朝も早うから |
南部山唄
特徴
「十五七節」とも呼ばれる古い歴史をもつ唄。江戸時代末期に渋民で唄われていたという文献が残っている。「十五七」は「重五七(南部木挽きの別名)」にも通じる。
名称 | 南部山唄 |
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発祥地 | 二戸市浄法寺町 盛岡市玉山区 |
歌詞 |
ヤーエーデヤーアエ 今日は良い〜 馬コ踏むなよほた |
そんでこ節/正調そんでこ節
特徴
正調そんでこ節は、南北朝時代にこの地に落ちのびた北畠一族をなぐさめるために即興でつくられたという伝説が残っている。歌詞の「鹿のしし」とは落人のこと、「岩のはざま」とは奥地、「昼寝して」は隠れて、「またぎ」は狩人すなわち追っ手を表しているといわれる。その後、野山稼ぎに唄われ、長い年月を経て「そんでこ節」に変化していったと考えられる。
名称 | そんでこ節 |
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発祥地 | 岩泉町小川 |
歌詞 |
そんでこがなー 声がよいなー セミの巣でなー ハグロしたなー 顔をかくすなー 苦労するなー |
名称 | 正調そんでこ節 |
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発祥地 | 岩泉町小川 |
歌詞 |
鹿のししがなあー そんでこはなあー 風の夜もなー |
萩刈り唄
特徴
草刈り唄の一種で、馬の越冬用の飼料となる乾し草を蓄える際に、ススキなどの他に栄養価の高い葛の蔓や萩をいっしょに刈り込んだことに由来すると考えられている。
名称 | 萩刈り唄 |
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発祥地 | 県南一帯 |
歌詞 |
(ハイ)おれと 萩を刈り刈り 萩は外山 |
名称 | 発祥地 |
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草刈り唄 | 奥州市水沢区 |