読み仮名 | もくぞうにおうぞう |
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指定種別 | 県指定 |
種別 | 彫刻 |
指定年月日 | 1993年 9月 7日 |
指定詳細 | |
数量 | 2体 |
所在地 | 花巻市東和町安俵 |
所有者 | 凌雲寺 |
保持団体 | |
管理団体 | |
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概要
像高阿形像275.0cm。
吽形像273.0cm(共に現状)。
両像とも、木造、寄木造、彫眼、彩色。
両像は、初めから一具のものではなく、かつて阿形像造建の時期にそれと対をなす同趣の吽形像があったものと思われる。
凌雲寺への移安以前、何らかの事情で当初の大聖寺(権現堂)で應永19年(1412)吽形像が補作されたものと考えられる。
それが二躯一具として今日まで伝来してきたものとみて大過なかろう。
阿形像と吽形像との彫刻性、造形表現、その感情表出は明らかに異質である。
それにも拘わらず、奇妙に一具としての違和感を与えない。
阿形像は当初、一木造の内刳像であったと想定されるが、最初から大きく制約された素材を、ぎりぎりの木取りをした上で、極めて個性的な構想力と彫刻性をもって表出している。
この像こそ、在地(地方)造形の典型を語る遺品といってよく、本県にとって貴重な作例ということができる。
また吽形像は阿形像に較べると彫刻性は劣るが、15世紀の半丈六という巨像の製作に力一杯の工夫と創意をみせ、阿形像との一具性を志向した造りとなっている。