読み仮名 | もくぞうしゃかさんぞんさぞう |
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指定種別 | 県指定 |
種別 | 彫刻 |
指定年月日 | 1997年 5月 2日 |
指定詳細 | |
数量 | 釈迦如来坐像(台座光背付き)一体〜中尊 文殊菩薩坐像(台座光背付き)一体〜向かって右 普賢菩薩坐像(台座光背付き)一体〜向かって左 |
所在地 | 奥州市水沢黒石町字正法寺 |
所有者 | 正法寺 |
保持団体 | |
管理団体 | |
ホームページ | 奥州市(みずさわ浪漫・正法寺) |
概要
正法寺は、北東北の曹洞宗の拠点のひとつとして、南北朝期に無底良韶によって開かれた禅宗寺院である。
木造釈迦三尊坐像(中央に釈迦如来、向かって右に文殊菩薩、向かって左に普賢菩薩)は、南北朝末期(明徳3年1392年)に当初仏殿の本尊像として造像されたものと推測される。
この木造釈迦三尊坐像の造形的な特徴であるが、衣や髪の表現などにかなり複雑な形式が見られ、仏像の形式に通じた作者を想定させる。
また、構造についても、南北朝期の院派の仏像と共通する「体部の二材を連結束を彫りだしてつなぐ形式」を採っており、造像方法としてこの形式を知っている作者であったことを伝えている。
このような状況は、像の作者が都で造仏の修業をして、形式や構造を学んだ後、曹洞宗の北奥布教と関わって、正法寺の第一拡張期にこの地に滞在したことを伝えている。
そうしたことから、当時正法寺や正法寺の末寺における造仏活動で名を知られる「立増(りゅうぞう)」の作と推測される。
以上のことから、木造釈迦三尊坐像は、南北朝〜室町初期以降における岩手の造仏の変化を考える上で極めて重要なものである。
(第1 有形文化財指定基準2)