読み仮名 | もくぞうじぞうぼさつはんかぞう |
---|---|
指定種別 | 県指定 |
種別 | 彫刻 |
指定年月日 | 2000年 11月 24日 |
指定詳細 | |
数量 | 1躯 |
所在地 | 一関市花泉町金沢字大門沢 |
所有者 | 大門神社 |
保持団体 | |
管理団体 | |
ホームページ |
概要
本像は、平安末期から鎌倉初期に制作が遡る半丈六(坐面からの像高130.5cm)の大きさをもった地蔵菩薩半跏像である。
現状では表面に紙貼りの補彩が行われており、当初の彫刻の様子を窺えない部分もあるが、構造上根幹材に概ね左右前後共に45cm程の巨木を用いた一木割り矧ぎ(いちぼくわりはぎ)造りで、像芯束(ぞうしんづか)を残す様子や前後束(ぜんごつか)を残す様子など、平安末期に平泉を中心に活躍した仏師の流れをくむ像である。
カツラ材を利用した地元での制作が考えられる作例であり、また、地蔵菩薩半跏像としては県内最古の像である。
形制上の特徴としては、着衣形式が挙げられる。
裙(くん)の上に大衣(だいえ)を着けるのは通常と同じであるが、右肩からは偏衫(へんさん)を着け、背面では袈裟が見られる。
また、大衣(だいえ)の正面には裙(くん)の結び目が見えており、これは11世紀頃から類例があり、中尊寺の地蔵菩薩像にも通じるものである。
以上のように、本像は岩手に残る地蔵菩薩半跏像としてはきわめて貴重であり、さらに平泉文化とも密接に関係する作例としてきわめて重要である。
(第1 有形文化財指定基準 絵画・彫刻・工芸品の部2・3・4該当)