読み仮名 | もくぞうふどうみょうおうりゅうぞう |
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指定種別 | 県指定 |
種別 | 彫刻 |
指定年月日 | 2017年 11月 14日 |
指定詳細 | |
数量 | 1軀 |
所在地 | 一関市千厩町 |
所有者 | 宗教法人大光寺 |
保持団体 | |
管理団体 | |
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概要
大光寺境内約水道の須弥壇右方に安置されている1面2目2臂の不動明王像で、像高156.4センチメートル、頭部は正面を向き、両足を揃え右肩と腰を僅かに右斜め前方に捻っている。両眼とも見開き、眉根を寄せて瞋目し、閉口して下唇を噛み、右下牙を上出、左上牙を下出する。右腕は肘を屈して腹前で三鈷剣を執り、左腕は垂下し羂索を握る。
腰高かつ細身の体軀、面相部の大づかみな肉付け、忿怒をことさらに表出しない表情は、平安時代末期(12世紀)の作風を示し、頭体幹部が1材の前後割矧ぎではなく規格材2材からなる製作技法からも、本像は制作が平安時代に遡る作例として、当代の岩手県域の歴史文化を示す貴重な存在と評価される。
本像は、当時平泉で進められていた先進的な技法を採用しつつ、仏像に対する旧来の認識に基づいた造像といえ、新旧の文化の接触と融合、新来文化の波及のあり方など、当代の岩手県域の多様な文化状況を示す貴重な存在である。
さらに、本像と制作年代を同じくする毛越寺の銅像不動明王立像と両眼を開眼するなどの共通点もあり、奥州藤原氏の関与が想定される。