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概要 | |
旧八戸藩領軽米村で酒造・質屋を営んだ淵沢円右衛門が著した農書及び遺言。 「軽邑耕作鈔」は弘化4年(1847)から文久2年(1862)までの15年間に筆記・加筆した農書で、内容は、「農業の心得」「作物栽培各論」などからなり、近世農書の代表作である『農業全書』が地域に適応しないことを痛感したことが直接的な動機となって編まれたものである。 「遺言」は、子孫への家政の心得として、地域における大規模多角経営主としての哲学を述べたもので、「軽邑耕作鈔」成立の背景を知りうる書である。 旧八戸藩領・盛岡藩領の気象、地理的条件下での技術を教える農書は、幕末に至るまでなく、その詳細な記述は、日本農業史における北部東北地方の実情を知り得る希少な史料である。 |
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