読み仮名 | けせんちょうけんかたなばたまつり |
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指定種別 | 県指定 |
種別 | 無形民俗文化財 |
指定年月日 | 1997年 9月 2日 |
指定詳細 | |
数量 | |
所在地 | 陸前高田市気仙町字町裏 気仙公民館内 |
所有者 | |
保持団体 | 気仙町けんか七夕祭り保存連合会 |
管理団体 | |
ホームページ | 陸前高田市気仙町けんか七夕祭り |
概要
陸前高田市の七夕祭りは、8月上旬〜7日に夏祭りとして行われ、気仙町の「けんか七夕」、高田町の「動く七夕」、小友町の「海上七夕」があるが、気仙町の「けんか七夕」は、最も特色ある内容を持っている。
「けんか七夕」の起源は定かでなく、口承だけで詳しい来歴は不明であるが、近代以前に発祥して以来受け継がれ、その後徐々に盛んになり、戦後、一時期衰えたが、間もなく復活し、現在、荒町・上八日町・下八日町・鉄砲町の4町内が山車を出し、実行委員会を設けて実施している。
囃子の太鼓は、「けんか七夕太鼓」といい、昭和53年に陸前高田市指定の無形民俗文化財となった。
「気仙町けんか七夕祭り」は、8月7日に気仙町の4町内会で、アザフ(金剛寺のしだれ桜を模したものという)や短冊・くす玉・ボンボリなどで飾り立てた山車を繰り出し、町内や長部漁港をパレードした後、勇壮な「けんか太鼓」の囃子で山車をぶっつけ合う。
山車は、車輪をケヤキ材で直径90センチ前後に造り、中央部に長さ20メートル前後の杉丸太のかじ棒を藤ヅルで取り付けてあり、双方の前方より綱で山車を引き合って、かじ棒を相手の山車本体に激しく突き当てる。
クライマックスは午後7時半過ぎから行われる2台ずつ合計4回ぶっつける「けんか」であり、日中にも、2回ぶっつける。
山車を相手陣営に一歩でもひっぱり込んだ方が勝ちだが、勝敗によって豊漁や豊作などが約束されるといったような伝承はないという。
囃子の「けんか七夕太鼓」は、大太鼓・締太鼓・小太鼓・笛からなり、曲目には、「歩み太鼓」、「休み太鼓」、「けんか太鼓」がある。
「気仙町けんか七夕祭り」は、「七夕山車」の運行と山車をぶっつけ合う「けんか」、そしてその士気を鼓舞する「けんか七夕太鼓」の三つの要素から成り立っている。
山車本体の構造と基本的な飾りは今後も継承する必要があり、また山車の「けんか」はこの祭りに不可欠で、囃子の太鼓は町内毎に微妙な差があるのでその伝承が望まれる。
「気仙町けんか七夕祭り」は、最も勇壮で特有な内容を持つ七夕祭りの一つとして極めて貴重であり、祭り全体の保存伝承が重要である。
(第4 無形民俗文化財指定基準 1(2)該当)