読み仮名 わがのだいじょうかぐら
指定種別 県指定
種別 無形民俗文化財
指定年月日 2001年 5月 11日
指定詳細
数量
所在地 北上市和賀町煤孫 北上市村崎野 北上市二子町 花巻市北笹間
所有者
保持団体 和賀大乗神楽保存会 村崎野大乗神楽保存会 宿大乗神楽講中 上宿和賀大乗神楽連中 笹間大乗神楽保存会
管理団体
ホームページ 大乗神楽(神楽とわたしたちのくらし)
和賀大乗神楽(慶昌寺)

概要

旧和賀郡の北上市と花巻市笹間では、大乗神楽と総称される神楽が盛んに行われている。
大乗神楽は、修験山伏の手で伝承されていた獅子神楽の一つで、山伏神楽と分類されたこともあるが、山伏神楽以上に祈祷色の濃い神楽であり、宮城県の法印神楽の一系と考えられる。

 大乗神楽の特徴は、手の振り付けや結び方、足の踏み方で修験の呪法をきちんと行うところにある。
本来は舞台飾りも厳密で、舞台の四隅に忌竹を立て、一方に天神宮をまつり、鬼門(東北)と裏門(南西)との隅に釜をすえて支柱を立て、太いシメナワを張ったという。
演目は33種目あり、本地垂迹説をもととし、本地仏が語られる。

 旧和賀地方の大乗神楽の歴史は、煤孫の和賀大乗神楽の伝承では中世末に遡るが、記録的には幕末から明治初頭にかけて萬法院(旧和賀郡南笹間村、現花巻市)を中心に神楽が行われていたことが明らかで、嘉永2年(1849)には萬法院、明治8年(1875)には自性院(北上市下江釣子)で合同の大乗会が開催されている。

 現在、旧和賀郡内で神楽幕を張って大乗神楽を演じているのは、昭和49年に県指定文化財に指定されている和賀大乗神楽(北上市和賀町煤孫)、村崎野大乗神楽(同市村崎野)、宿大乗神楽(同市二子町)、上宿和賀神楽(同市二子町)、笹間大乗神楽(花巻市北笹間)である。
和賀大乗神楽を除けば、いずれも萬法院の流れを汲むものであり、修験の呪法がきちんと継承されている。

 以上のように、和賀大乗神楽や村崎野大乗神楽、宿大乗神楽、上宿和賀神楽、笹間大乗神楽に代表される「和賀の大乗神楽」は、大乗神楽の特徴を継承しながら、地域的特色をよくあらわしている。

(無形民俗文化財指定基準2−(3)該当)

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