読み仮名
指定種別 県指定
種別 無形民俗文化財
指定年月日 2011年 5月 10日
指定詳細
数量
所在地 滝沢市篠木地区
所有者
保持団体 篠木神楽保存会
管理団体
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概要

篠木神楽は坂上田村麻呂を祀る田村神社の奉納神楽であり、そもそも神職である社家の齋藤家が代々担ってきた神楽であった。かつて齋藤家と玉山村の修験であった西福院が長年争ったことに示されるとおり、篠木神楽は山伏神楽に対して一線を画しており、社家によって伝えられてきた社風(みやぶり)神楽に分類される。
 演目は、天の岩戸開き、鳥舞、八幡舞、山乃神舞など全部で30ほどある。中でも山乃神舞は最初に御幣・鈴・扇を一緒に持って舞う。後見人に面を付けて、舞手は山乃神に変身する。篠木神楽の山乃神舞に見られる特徴は、12種類の印を結ぶことである。これほど多くの印を結んで舞う山の神舞は類例がない。また、一旦胴前に伏して、その恰好で各々の印を結ぶところも珍しい。
 保存会の状況は、会員数大人12名、子供15名の計27名である。月2回、土曜日に田村神社の神楽殿で会員に対して演目を指導している。また、数十年前から篠木小学校の学区を対象として課外授業の一環で子供神楽の組織を作って活動してきた。「子供神楽を通して青少年の健全育成と精神の高揚を図り、相互交流を深めるとともに篠木神楽の伝承に努める」ことを目指している。
 篠木神楽はそもそも岩手山の修験が担っていた神楽であると考えられるが、いわゆる社風神楽として盛岡藩によって保護されてきた。社風神楽は盛岡藩領の社家が組織した神楽であり、岩手県における神楽の1つとして分類されてきた。篠木神楽はその典型的な事例であり、社風神楽の発生又は成立を示すものとして、芸能史的な価値を認めることができる。齋藤家に残されている巻物は、齋藤家が神楽を伝授したことを証するものであり、社風神楽の実態が窺える史料としてきわめて貴重である。
 また、篠木神楽は藩政期における政治・宗教・芸能の関係を体現しているという意味において、山伏神楽の変遷の過程を示すもの、地域的特色を示すものとしても貴重である。山乃神や獅子舞は珍しい要素を多く残しており、きわめて貴重である。獅子舞は、コジシが獅子に取り込まれるところや獅子が飲んだものを吐き出すところなどが特徴的であり、山伏神楽における権現舞の古い形態が窺える。
以上のように、篠木神楽は社風神楽でありながら山伏神楽の要素を色濃く残しており、北東北における山伏神楽の存在形態を考える上できわめて貴重である。

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