読み仮名 はなまきやさわちくのぜにたなごせいそくち
指定種別 県指定
種別 天然記念物・動物
指定年月日 2010年 10月 1日
指定詳細
数量
所在地 花巻市矢沢
所有者 個人
保持団体
管理団体 矢沢地域の自然保護を考える会
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概要

ゼニタナゴは、日本固有種であり、神奈川・新潟以北(青森を除く)の本州に分布している。全国的に生息地及び生息数共に減少しており、現在では岩手県を含め生息している地域は数県であると推定され、環境省の「改訂・日本の絶滅の恐れのある野生生物(レッドデータブック)」にIA類(絶滅の危険性がきわめて高い種)に指定されている。
 ゼニタナゴの生息する環境は、平野部の浅い湖沼や池、それに繋がる水路などで、付着藻類や柔らかい水草などを餌としている。
 岩手県内では、かつて県南部地域を中心にゼニタナゴの分布が各種報告書により確認されていたが、一部未調査の地域を除いて、現在生息が確認されている場所は花巻市矢沢地区にあるため池群のみである。
 ゼニタナゴが減少した理由として、70年代はため池の埋め立てや農薬等による二枚貝の減少、80年代は水田の圃場整備に伴う水路のコンクリート化やため池の消失、90年代以降はオオクチバスなどによる外来種の侵入等が主に挙げられる。
 永きに渡り人々の生活と共に生きてきたゼニタナゴが、人々の暮らしの変化により、消えようとしている。そのような状況の中で、花巻市矢沢地区では「矢沢地域の自然保護を考える会」を設立し、会が中心となってゼニタナゴの保護活動を行ってきた。このことにより、県内で唯一ゼニタナゴ個体群が維持されており、全国的にもこれだけの個体数を維持しているところは稀である。
ゼニタナゴ(上)写真提供:藤本泰文氏

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