読み仮名 いたようかたいかりけんばい
指定種別 県指定
種別 無形民俗文化財
指定年月日 2018年 12月 7日
指定詳細
数量
所在地 大船渡市日頃市町
所有者
保持団体 板用肩怒剣舞保存会
管理団体
ホームページ

概要

 板用肩怒剣舞は大船渡市日頃市町に伝承される念仏剣舞で、成立は1752(宝暦2)年とされる。1751(宝暦元)年、猪川町稲子沢(いなごさわ)家において、江刺(現奥州市江刺)から念仏剣舞を導入し、独特の剣舞を創立したと伝えられる。1752(宝暦2)年に、稲子沢家の長女が板用に分家として居住する際、面や剣舞諸道具を本家より持参し、それを血族に託し、板用で永年の伝承を申し伝え剣舞が始まり、周辺の7軒で剣舞が担われることになったという伝承があり、そのうち、3軒が現在も念仏剣舞を担っており、1軒は古くから庭元の役割を担い、現在も念仏剣舞の衣装や道具を保管している。

 古い時代には、全部で12通りの演目が伝えられていたとされるが、現在把握できるのは、4つの演目である。

 大森肩怒剣舞など大船渡市内の念仏剣舞の数団体は、板用肩怒剣舞がルーツとされ、踊り手は、「肩怒り」という独特な衣装を身に着けており、周辺の念仏剣舞などに影響を与えた。

 板用地区の全38戸が保存会の会員となっており、念仏剣舞の行事の際には、自治会・婦人会・子供会などが協力し行なっており、地域住民の中に「地域の芸能」という認識を深め、住民間の連携をとる効果となっている。

 現在、30~40代の若手が主体となって活動しており、地域の子供たちの数は減ってはいるものの、昭和36年に開始した「子供剣舞」は、現在も活動を継続しており、子供だけ、あるいは大人だけでも剣舞を舞うことができる数少ない団体であり、平成24年度には、国立劇場など大きな会場で演舞する機会にも恵まれている。

  板用肩怒剣舞は、歴史的背景と剣舞成立の来歴が明確であること、また、大船渡市内の数団体に剣舞が伝承されており、「肩怒り」という独特な形状の衣装は、周辺の剣舞に影響を与えたこと、さらに、地域における伝統文化の継承に結び付く活動が継続されていることが評価できると言える。