日高火防祭(奥州市)

 江戸時代の度重なる大火を機に始まった祭りは約300年の歴史を持ちます。町内ごとの囃し屋台に着飾った「お人形さん」と呼ばれる女の子や男の子が乗りすこし大きな女の子の弾く三味線に合わせて太鼓をたたきます。
 クライマックスは水沢駅前に屋台の集まる「相打ち」。春の夜空に太鼓の音が響きわたります。4月はちょうど水沢地方の桜も盛りの頃、春を実感させるお祭りです。

春の藤原祭り(平泉町)

 ゴールデンウィークは中尊寺、毛越寺を中心に町内あげてのお祭りです。一番の見物は毛越寺大泉ヶ池の船の上での秀衡・義経出会いの場から中尊寺金色堂前までの義経東下り行列。
 義経に扮した人気俳優を中心にした総勢100人を越す行列は華やかな平安絵巻のよう。そのほか藤原四代追善法要、稚児行列、力を競いあう弁慶力餅競技大会、能や舞の奉納と往事を思わせる華やかな行事が続きます。

江刺甚句まつり(奥州市)

 毎年5月上旬の、奥州市全体をあげて繰り広げられる市民総参加の祭りです。約300年の歴史がある岩谷堂火防祭を一般市民がより広く参加しやすい形に改めた新しい祭りです。
 本まつりでは市民12団体の鹿踊りが一斉に踊る「百鹿大群舞」や10台の祭り屋台が街を練り歩き、市内の厄年を迎える5000人もの江刺甚句踊りのパレードは見る人を圧倒させます。

啄木祭(盛岡市)

 国民的歌人である石川啄木は玉山村渋民(現 盛岡市玉山区渋民)に生まれました。文学を志し上京した啄木でしたが、一家の生活は苦しく、北海道、東京へと漂白し、二度と故郷渋民には戻ることはありませんでした。
 美しい春を迎える毎年5月、玉山村渋民では二度と故郷の渋民にに戻ることがなかった石川啄木を偲んで小学生や婦人たちの合唱、啄木にちなんだ演劇やシンポジウムを開催して望郷の歌人、啄木のその偉業を称えます。

チャグチャグ馬コ(盛岡市・滝沢市)

 初夏。ちゃぐちゃぐという鈴の音が街中に響きます。金銀紅紫の晴れ着をまとった約100頭の馬の行列です。
 滝沢市の蒼前神社に詣でたあと約15の道のりを盛岡の八幡宮へと向かいます。馬の日頃の労働に感謝しその安全と健康を祈る馬産地岩手ならではの行事で200年を越す歴史があります。チャグチャグ馬コが通り過ぎると岩手にも夏が近づいてきます。

盛岡さんさ踊り(盛岡市)

 その昔、悪い鬼が現れて里人を苦しめました。それをとらえて懲らしめたのが三ツ石の神。鬼はもうここには来ないことを誓い、岩に手形を残して逃げていきました。
 不来方、岩手の地名の起こりです。里人は喜んで三ツ石の周りをさんささんさと踊り、これがさんさ踊りとなりました。盛岡地方に古くから伝わるさんさ踊りを誰にでも踊れるよ。
 今ではすっかり岩手を代表する祭りとなりました。日本一といわれる5000台の太鼓が鳴り響く様子はまさに壮観です。

北上みちのく芸能まつり(北上市)

鬼の面を着け剣をもち、太鼓にあわせて飛び跳ねるように踊る勇壮な舞・鬼剣舞。北上市はその鬼剣舞の里です。そのほかにも鹿踊り、神楽など北上は民俗芸能の宝庫。その北上の芸能を中心に県内各地、そして県外や海外からも民俗芸能が集まって競演するのが北上みちのく芸能まつりです。
 8月上旬の3日間は街のあちこちが会場となりさまざまな芸能が演じられます。勇壮な踊り、優雅な舞い、他ではなかなか見られない芸能も出演、民俗芸能ファンにとっては見逃すことの出来ない3日です。

鹿踊り(奥州市)

 鹿踊りは、鹿を模した装束で踊る群舞です。祖霊供養、悪霊追放、五穀豊穰を願い神事芸能として伝えられてきました。
 奥州市に伝わる鹿踊りは、背中に一対のササラを立て、鹿角の付いた頭、馬の黒毛をザイとし、前腰に太鼓をつけて唄い踊ります。「太鼓踊系鹿踊り」に属し、自ら囃し、歌い、踊るところが特徴です。
 通常は8人一組で踊るもので、大別して行山流と金津流の二派が伝承されています。