特産物・郷土料理の交流
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・ 生出地区コミュニティ推進協議会

「木炭まつり」で盛り上げ

 生出(おいで)地区は陸前高田市の中心街から北西に約17キロ、国道343号の矢作町二又(やはぎちょうふたまた)から山間の道を約5キロほど進むと四方山に囲まれた静かな山村で、戸数120戸・人口450人ほど。隠れ里と呼ぶことがぴったりする小さな地区である。
 生出集落は、かつて平泉の黄金文化を支えた玉山金山を中心とする金採掘の一翼を担い、 1600年代には炯屋 (鉄沙を「たたら」にかけて鉄をつくる所) を業とするために、膨大な量の木炭生産が行われた。明治時代には養蚕も盛んになり、25年には地元資本で 「有限責任生出製糸生産販売組合」を設立。アメリカと直接取引を行った歴史もある。
 昭和62年11月15日、それまで個別に活動していた各組織を一元化した生出地区コミュニティ推進協議会主催による「第1回生出木炭まつり」が開催された。地域資源の木炭を活用し地域づくりと生出を多くの人に知ってもらおうという取り組みは、以後毎年10月の最終日曜日に行われ、遠方からの来訪者で賑わっている。


祭り
木炭まつり
「炭の家」完成で交流に拍車

 地区住民待望の「炭の家」は、山村文化資源を生かした地域の活性化、交流人口の拡大を目的とし、都市住民の農村体験型観光(グリーンツーリズム)の受け皿施設として建設された。内部は8畳の客室が3室、約20畳の研修室、民具展示室を兼ねた中央ホール、農産品加工研究実習室、浴室からなり、敷地内には炭窯3基を備えた炭焼き体験実習施設や木炭利用研究施設まで完備されている。
 これは市の施設で、管理運営を生出地区コミュニティ推進協議会が受託しているのだが、その運営状況を聞くと、「平成10年12月4日付の読売新聞夕刊1面に、“炭焼きの里においで”の題で紹介された時は、すぐに50人くらいから問合わせがあり、静岡や茨城県から10組ほど訪ねて来ました。情報発信の力を痛感しましたが、炭焼きは窯に入れると1日で出来上がると思っている人が多く、体験型観光や交流として施設を活用していくためにはもう一工夫必要です」との答え。
 その後、茨城県から50歳代の女性が、神奈川県からは19歳の男性が体験を申し込んできたり、12年には東京都江戸川区の教育委員会が体験学習の場にと視察に訪れたりしているが、理想としている「都市と農村交流」の定着には至っていない。やはり佐藤さんの言うとおり、プラスアルファの何かが必要だろう。


「炭の家」
炭の家
大学生が林業体験で生き方学ぶ

 平成15年9月には、立教大学の学生たちが林業体験プログラムに取り組んだ。共同生活を通じて自己を再発見することが狙いで、5泊6日の日程で炭焼きや枝打ち作業などを体験しながら、地域の人たちとコミュニケーションを深めた。
 このプログラムは立教大学学生部が主催。参加学生が自分の生活を見直し、広く生き方について考えるきっかけにすることが目的で、一年生から大学院生まで計20人が参加。生出地区を選定したのは、インターネットで「ホロタイの郷・炭の家」にアクセスし、炭焼き体験が目に留まったことが発端という。
 学生部ではこれまで、フィールドワーク体験学習の一環で山形県高畠町で有機農業を学んでいたが、今回から生出地区で林業体験プログラムを企画。市が森林体験交流事業としてバックアップしている。
 「炭の家」入りした一行は、さっそく「いなか豆腐づくり」に挑戦、二日目は実習施設で築窯作業に汗を流した。学生たちは、炭窯を作り替える「窯打ち(かまぶち)」作業に始まり、原木を窯に入れる「かまたて」作業などを体験した。
 参加者からは「山の中で共同作業と生活をともにし、地域の人との交流を通じてさまざまな視点をもてる機会となれば。今後も継続的な体験学習の場として活用したい」と述べ、林業体験の成果に期待している。

窯打ち
窯打ち
主な受賞歴
平成8年 愛ランドいわて県民運動協議会「IWATEふるさとづくり賞」
平成8年 (財)あしたの日本を創る協会「ふるさとづくり振興奨励賞」
平成9年 岩手県活力ある我がむらづくコンクールで優秀集落
平成15年 岩手県中山間地域モデル賞

■リンク
生出地区コミュニティ推進協議会(陸前高田市)


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