いわての民謡
いわての生活文化


野山稼ぎ唄

■南部木挽唄
[特徴]

 岩手県内には「木挽唄」と名のつくものが遠野・気仙・沢内・江刺地方などに数曲ある。「南部木挽唄」は西和賀町沢内のもの。安代町(現 八幡平市)・岩泉町・雫石町・西和賀町沢内・遠野市などの「渡り木挽き」と呼ばれるグループが、木挽職人として各地を渡り歩いたことから広まった。
名称 南部木挽唄
発祥地 遠野市
西和賀町沢内
歌詞 ハァー木挽居たよだ
ハァあの沢奥にヨ
ハァ今朝もやすりの
オヤサハァ音がするョ

何の因果で 木挽にほれた
木挽半年 山暮らし

大工さんより 木挽がにくい
仲のよいとこ 引き分ける

親方金借せ 鋸の目が欠けた
鋸は嘘だよ 逢いに行く

わたしゃ南部の 奥山育ち
朝は早よから 木挽唄よ

木挽因果なもの 女と堅木
日に一度も あわれない

木挽さんより 大工さん可愛い
縁のない木を 組みたてる

大工木挽が 此の世になけりゃ
神も仏も 雨ざらし


■夏油木挽唄
[特徴]

 大正時代に発祥したと思われ、昭和54年に発掘された。夏油木挽唄は、「渡り木挽き」のうちの「板木挽き」の唄で、大鋸で大木を挽く音を掛け声として「センコ、センコ」と唄っている。
名称 夏油木挽唄
発祥地 北上市
歌詞 ハァーサイコサイコと
ひきだす音はヨー
ハァーどこのドッコイ
どなたか ヤーハハーレ
ヤレサ気にかかるヨー
ハーセンコ センコ

ハァーおれと行かねか
増沢の奥にヨー
ハァー鉈とドッコイ
鎌もて ヤーハハーレ
ヤレサあけび刈りにヨー
ハーセンコ センコ

ハァー一枚二枚と
引く手も軽くヨー
ハァー夏油でドッコイ
あの日を ヤーハハーレ
ヤレサ楽しみにヨー
ハーセンコ センコ


■南部山子唄
[特徴]

 「山子」とは木挽きや炭焼きを職業とする人のことで、盛岡から遠野に向かう旧釜石街道筋の紫波町東部や花巻市大迫町で唄われた山働きの人々の唄。一説には、稼ぎに来ていた山形県の木挽き衆が唄っていたものが大迫で作り変えられたものと思われる。
名称 南部山子唄
発祥地 紫波町東部
花巻市大迫町
歌詞 (ハイー ハイー)
ハァー私しゃ南部の
奥山ずまいよー
山は高いし
谷間は深い サイー
沢の小鳥達
みな土手こさもぐる
サイー

ハァー今朝も早うから
ハァドッコイ
山子の唄よー
(ハイー ハイー)

(ハイー ハイー)
山で鳴く鳥
何と言うて泣くのよー
春は青葉で
夏水清らかに サイー
秋はァもみじの
色鮮やかになる
サイー

ハァー今朝も早うから
ハァドッコイ
山子の唄よー
(ハイー ハイー)


■南部山唄
[特徴]

 「十五七節」とも呼ばれる古い歴史をもつ唄。江戸時代末期に渋民で唄われていたという文献が残っている。「十五七」は「重五七(南部木挽きの別名)」にも通じる。
名称 南部山唄
発祥地 二戸市浄法寺町
盛岡市玉山区
歌詞 ヤーエーデヤーアエ
山形育ちと
見下げてくれなヤエー
色のよい花山
山に咲くヤエー

今日は良い〜
天気も晴れたヤエー
西の雲から虹
虹が立つヤエー

馬コ踏むなよほた
ほたるの虫がヤエー
露の情けで身を
身を照らすヤエー


■そんでこ節/正調そんでこ節
[特徴]

 正調そんでこ節は、南北朝時代にこの地に落ちのびた北畠一族をなぐさめるために即興でつくられたという伝説が残っている。歌詞の「鹿のしし」とは落人のこと、「岩のはざま」とは奥地、「昼寝して」は隠れて、「またぎ」は狩人すなわち追っ手を表しているといわれる。その後、野山稼ぎに唄われ、長い年月を経て「そんでこ節」に変化していったと考えられる。
名称 そんでこ節
発祥地 岩泉町小川
歌詞 そんでこがなー
どこで生まれて
声が良いな
コノソンデコナー

声がよいなー
向い小山の
セミの巣でな
コノソンデコナー

セミの巣でなー
親にかくして
ハグロしたな
コノソンデコナー

ハグロしたなー
笠のしめ緒で
顔かくすな
コノソンデコナー

顔をかくすなー
人に知られぬ
苦労するな
コノソンデコナー

苦労するなー
はなれそうもない
二人ずれ
コノソンデコナー

名称 正調そんでこ節
発祥地 岩泉町小川
歌詞 鹿のししがなあー
こら岩の間に
昼寝したな
こらそんでこなあー
昼寝したな
こら狩人来るのを
夢に見てな
こらそんでこなあー

そんでこはなあー
こら今朝はかぶとの
緒をしめたなあー
こらそんでこなあー
緒をしめたなー
こら雪の降る日も
風の夜もな
こらそんでこなあー

風の夜もなー
こら敵に姿を
隠くすためな
こらそんでこなー
隠くすためなあー
こら山の木の影
岩の影な
こらそんでこなー


■萩刈り唄
[特徴]

 草刈り唄の一種で、馬の越冬用の飼料となる乾し草を蓄える際に、ススキなどの他に栄養価の高い葛の蔓や萩をいっしょに刈り込んだことに由来すると考えられている。
名称 萩刈り唄
発祥地 県南一帯
歌詞 (ハイ)おれと
(ハイ)行かねか
ナーハー
あの山越えて(ハイ)
わらと(ハイ)鎌持って
ナーハー アリャ
萩刈りに

萩を刈り刈り
お山の上で
里の馬っコを
思い出す

萩は外山
馬コは南部
日本一だよ
おらが牛


名称 発祥地
■草刈り唄 奥州市水沢区

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