豊作を祈る小正月の予祝行事が芸能化したもので、和紙を何枚も重ね、漆を塗った烏帽子(えぼし)をかぶり、エブリ(田をならす道具)を持ったエンブリスリを主体として踊られます。「えんぶり」とはこの「エブリ」がなまったものだと言われています。えんぶりの舞い手のことを太夫といい、太夫は3人または5人で編成され、その他、笛、太鼓、手平鉦(てびらがね)、歌い手など総勢15〜20人ぐらいになり、これを1組と言います。

えんぶりには2つのタイプがあって、唄や仕ぐさのゆっくりした方は古来からのかたちで「ながえんぶり」と呼ばれ、これとは反対に唄もすりもともにテンポが速く、勇壮活発な方は「どうさいえんぶり」と呼ばれています。

馬の頭を形どった美しい烏帽子は、神様を呼ぶ「よりしろ(神様が降りてくる目印)」の意味があると言われています。八戸市を中心とする青森県三八地方から岩手県北部にかけての旧八戸藩領に分布し、岩手県内では軽米町や葛巻町、久慈市などで伝承されています。

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