国道46号・106号で横軸連携

 秋田と岩手をつなぎ結ぶ国道46号と106号はこれまで、多くの産業と文化交流のエントランスとして、住民や旅人の往来を活発にするハイウェイとして、「みち」という多種多様な役割を果たしてきた。秋田・岩手横軸連携交流会は、このかけがえのない「みち」をより深く見つめ、両エリアに今まで以上の理解と交流が生まれることを目的に、行政でも個人でも実現しにくい、暮らしに役立つ具体的活動を<生活者の集まり>として進めていこうと考えている。
 平成12年9月に設立されたこの交流会は、当初は事務局を盛岡、秋田、宮古に置いた。平成13年6月にNPO法人の認証を受け、交流拠点となる道の駅「雫石あねっこ」オープンに伴い盛岡事務局を同道の駅に移転(平成14年7月)、さらに平成14年8月には(財)日本道路協会から道路事業貢献団体として表彰された。

組織は5部会制

 秋田岩手横軸連携交流会は5部会制をとっている。
 「安心・安全」部会のテーマは、「もっと『安心・安全』に。路上事故が発生した際に、最も優先されるべき救命救急対策をより一段とすすめ、みんなの“命”を守る具体的システムである「救助・通信・搬送」の充実に取り組んでいる。同時に、常に危険を伴う冬の雪道走行を取り上げ、実技や実験を体験しながら、一人でも多くの「ドライバーマスター」の養成を目標にとしている。
 「街づくり」部会のテーマは、「本当に住み良い『街づくり』を」。朝夕や土日の渋滞を引き起こす街毎の事情を調べ、解消のための仕組み提言と運動の実践している。また、全ての住民が快適に利用できる「ノーマライゼーション」の考えに基づき、道路や各種施設の見直しと改善を提案している。具体的な活動は「まち・交通フォーラム」の実施、快適街づくりチェック隊委員会の設置(安心安全の視点で街のチェックマップ作り)、 ビューティSIGNビューティロード運動委員会(SIGNのセンスアップで統一された美しい街や街道を作ろう)、子供ロードレンジャー委員会(街を守る体験を盛り込んだプログラムで、オピニオンリーダーの育成を図る)、豊かな夜の街づくり委員会(家族・高齢者が安心して「夜の街」を散策でき、歩く楽しみを感じる中心市街地の創出)などである。
 「歴史と文化」部会は、「歴史と文化」再発見、再認識をテーマに、道にまつわる歴史や文化的遺産を、もう一度ひも解くことにより、自分の街を見直し、 またイベントを交えながら新たな魅力を見出すきっかけとなる「○○ロード」作りをすすめる。さらに、「道の駅」を地元の<歴史・文化・交流>に深くかかわる施設としてとらえ、物産だけにこだわらない新しい活用法を考える。「峠フォーラム」「街道フォーラム」の実施も、「歴史と文化」部会の役割である。
 「広報と交流」部会のテーマは、「わかりやすく親しみやすい『広報と交流』」。目的別便利マップの作成、ホームページによる最新情報の提供、楽しみながら参加できるイベント型インフォメーション、などを次々と実地することで、暮らしに役立つ知識と体験を広げ、そしてより多くの人達の交流を図る。 別の県や都市の記念日がある街づくり委員会(友好推進のために相互に県・都市冠のついた記念日の制定)、交流会だよりの作成、ホームページ作成が主な活動内容。
 「子供交流」部会は、「子供達の視点を考える『子供交流会』」がテーマ。子供達の交流を積極的に図り、子供の目で見た「みち」を一緒に考え、未来のロードマスターの育成に努め、また、絵本でつづる地域の姿委員会(地域の「絵本や紙芝居」手作りキャラバン)、総合学習(環境関連)支援委員会(小中学校の総合教育の学習を支援)、「学校にパソコンを!」、「高校生進路会議」の実施などを行っている。

リンク
NPO法人秋田岩手横軸連携交流会

いわての文化情報大事典(いわての街道)