読み仮名 | きゅうかんじざいおういんていえん |
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指定種別 | 国指定 |
種別 | 名勝 |
指定年月日 | 2005年 3月 2日 |
指定詳細 | |
数量 | |
所在地 | 平泉町平泉字志羅山 |
所有者 | |
保持団体 | |
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ホームページ | 平泉の文化遺産 |
概要
観自在王院は、奥州藤原氏のもと、12世紀に繁栄を誇った平泉の浄土伽藍であり、藤原氏第2代基衡の妻が建立したとされている。
観自在王院は、幅30mの南北道路を介して西側の毛越寺に接し、敷地の北側に大阿弥陀堂・小阿弥陀堂などの主要建築群が建ち、その南側には「舞鶴が池」と呼ばれる大きな池が設けられている。池の外周は草止めの護岸の所々に磔をあしらい、大小の景石を配して随所に見どころのある汀の景色を造っている。
また、池の中央やや東寄りには盛り土により中島が造成されている。池の水は毛越寺境内の北東隅に位置する弁天池を水源とし、南北道路を横断して観自在王院の敷地内に引かれたあと、緩やかに蛇行する遣水を経て池へと導かれる。
特に遣水が池に流れ込む位置には大きな石を伏せるようにして組み、雄大な景色を構成している。簡素ではあるが、動的な水の姿を現した流れの部分と、広々と制止する池の水面、そして両者の接点に躍動感のある滝の姿を表現したものである。
以上のように、旧観自在王院庭園は平泉に造営された浄土伽藍の庭園の中でも独特の意匠と構造をもち、それらの系譜上の位置付けのみならず、日本庭園史上における学術的価値も極めて高い文化遺産である。