読み仮名 | くらはさまかんのんどうさんがく |
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指定種別 | 県指定 |
種別 | 歴史資料 |
指定年月日 | 2017年 4月 7日 |
指定詳細 | |
数量 | 1面 |
所在地 | 遠野市宮守町上鱒沢19地割37-2 |
所有者 | 白山神社 |
保持団体 | |
管理団体 | |
ホームページ |
概要
当該文化財は鞍迫観音堂(平成6年岩手県指定有形文化財)に、寛保3年(1743)閏4月に上鱒沢村の宇夫長三郎(幸清)が奉納したものであり、子孫の宇夫氏が神社別当を継承して現在に至っている。
当該算額は平成12年(2000)に遠野市指定有形文化財となっており(市町村合併により旧宮守村指定有形文化財を引き継ぐ)、古来、鞍迫観音堂に奉納された他の絵馬とともに、昭和56年(1981)に建築された絵馬収蔵庫に収蔵されている。
算額の内容は問題2問と「附(つけた)り金銀割」が掲載されている。第1問は天(てん)元(げん)術(じゅつ)(算(さん)木(ぎ)・算(さん)盤(ばん)を利用して高次方程式を解く方法)の問題で現代の高校数学Bに対応するが、解法に至るまでが難しい。第2問はいわゆる鶴亀算で現代の小学校から中学校程度の問題。「附り金銀割」は金銀貨と銭貨の換算に関するものである。
内容は代数問題であるが、算額は図の見栄えのこともあり幾何問題が多いとされ、代数算額は一割ほどにすぎないといわれる。その点でも希少価値がある。
岩手県内には99面の現存算額があり、史料に残された記録算額を含めれば172面の算額が奉納(作製)された。当該算額は全国の現存算額中、奉納(作製)順において金ヶ崎八幡神社算額(昭和55年〈1980〉岩手県指定有形文化財)に次ぎ第8番目となっている。現存全国第8位の古さ、県内第2位、盛岡藩領では現存最古の算額である。地域への和算の伝播を知る貴重資料である。