読み仮名 たぐさりじんじゃのぶな・いぬぶなりん
指定種別 県指定
種別 天然記念物・植物
指定年月日 2010年 3月 2日
指定詳細
数量
所在地 宮古市大字田鎖
所有者 田鎖神社
保持団体
管理団体
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概要

北上山地でのブナ・イヌブナ林は希少で、比較的標高の高い室根山(海抜600〜791mの斜面)、山田町津軽石川源流地帯(海抜300〜600m)に分布する。
田鎖神社社叢を形成するブナ・イヌブナ林は、神社境内にあり、禁伐地として伐採から免れ、長期にわたって残されてきたものである。また、海抜90m以下の低地に見られること、林床に太平洋側を代表するスズタケが優占する典型的な森林であること、大部分が失われてしまった北上山地沿岸地域の原生的な極相林の様相を留めていることなどの理由から、学術上貴重な森林であり、既に「植物群落レッドデータ・ブック」(「財」日本自然保護協会1996)にも「平地に残存する気候的極相林およびイヌブナ分布北限」として、「緊急に対策を要する群落」と記されている。
 さらに、ブナと形態が類似するが、樹皮が細裂することで、滑らかな樹皮をもつ典型的なブナとは明らかに異なる個体が同じ林内に4個体生育している。これらの個体は1995年に発見され、花や果実の形態、遺伝子の解析からブナの一品種に当たり、新品種(「タクサリブナ」(仮称))に該当する。特徴的な細裂する樹皮はこの地域で生じた希有な変異であり、複数個体が存在することから、今後も観察・保護する必要がある。

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