東北地方で広く行われている行事で、雪の降り積もった庭を「田んぼ」に見立てて、松葉や稲わらを植えることで予祝(よしゅく=秋の豊作を祈願する)行事です。県南地方で広く行われています。一年の農作業の始まりのための儀式である「農はだて」の行事の一つで、小正月の時期に行う地方もあります。

予祝行事は家の主人や家族が行うのが一般的ですが、かつて盛岡地区では、町から大勢の早乙女(しょうとめ)が出て農家を回り、庭田植えの予祝行事を行うという風習がありました。

遠野市や西和賀町など、県内の農家で今でも行われているほか、奥州市で毎年2月第2土曜日に開催される「全日本農はだてのつどい」でも見ることができます。