稲田の作業を舞踊化し、「物まね」をすることでその年の豊年を祈願する「予祝(よしゅく)」の意味を持つ芸能です。一般的には正月期間に行われ、屋外で演じる「庭田植え(踊り)」と、室内で演じる「座敷田植え(踊り)」に大別されます。

県内の田植踊りは気仙・東磐井(けせん・ひがしいわい)型、胆沢(いさわ)型、和賀(わが)型、中部型(盛岡周辺)などに分類され、中部型以外は庭田植え。「孫蔵」「弥十郎」「えんぶり」などと呼ばれる作業指揮者が進行役を務め、口上を述べ、作業開始を告げると、早乙女(しょうとめ)や、飾りを付けた棒を持った「奴(やっこ)」「あやとり」などと呼ばれる年少者が踊り、道化役の一八(いっぱち)がそれを励まします。苗代づくり、田植え、稲刈りなど、作業を模した踊りが順番に踊られていきます。

早乙女が頭に冠った花笠を美しく回す紫波町「山屋の田植踊(やまやのたうえおどり)」が国の重要無形民俗文化財に指定されているほか、田遊びの芸能の一形態としては、県内では唯一、全国的にも希少な存在である北上市の「春田打(はるたうち)」が県の無形民俗文化財の指定を受けています。

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