白髭水を聞く

あらすじ

 むかし、盛岡の中津川のほとりに住んでいた木こりが住んでいました。

 川の奥に木を切りに行くと、白い頭、白い髭のおじいさんに出会いました。「おなかがすいた」と言うのでお弁当を差し出すと、ペロリと食べてしまいました。

 翌日もまたおじいさんが現れ、今度は挨拶もなしにお弁当を食べてしまいます。このおじいさんをおかしいと思った木こりの奥さんは、川原で拾った石を熱くして、ふくべにはお酒の替わりに油を入れて木こりに持たせました。

 するとまた現れたおじいさんはそれを食べてビックリ。口から火を噴いたおじいさんが「雨よ降れ」と念じると、たちまち大雨が降りました。雨は七日七晩降り続け、とうとう中津川が氾濫してしまいました。

 それから盛岡では、中津川が氾濫すると「白髭水が出た」と言うようになりました。