7世紀に入ると、県内各地に古墳群が作られだします。「終末期古墳」と呼ばれるその特徴は、ほとんどが小規模で群をなし、巨大石室などを持たないことです。近世以降、地元で「エゾ塚」や「エゾ森」などと呼ばれたものの多くが、この終末期古墳にあたります。
 おもな分布は、北上川流域の主要支流河川の河口や中・上流域で、多くは墳丘2メートル以上15メートル未満の小円墳で、径10メートル前後が多く、一カ所に数基から数十基が群在しています。副葬品は装身具や武具・馬具・農工具などで、北海道積丹半島を起点に流通したといわれる錫(すず)製の釧(くしろ=腕輪)、中近東原産といわれるガラスの中に金箔をはさんだサンドイッチガラス、律令国家との交流を表す通貨・和同開珎(わどうかいちん)や帯金具(かたいかなぐ=朝服用の黒漆塗りで革製の帯に、金・銀・銅などの飾りを付けるための金具)、北方系の黒曜石製ラウンドスクレイパー(円形掻器=剥片もしくは石刃の端部または側縁に急傾斜の刃部を作り出した石器。削ったり切ったりするのに用いる)、衝角付冑(しょうかくつきかぶと)や蕨手刀(わらびてとう)などの武具等、実にさまざまな種類があります。