胆沢地方を本拠地とした安倍(あべ)氏は、頼時の代になって勢力を一層増し奥六郡の支配を固めた。領内各所に柵を設け、貞任(さだとう)ら子どもたちや家臣が各地を領有する体制を築く。これに対して朝廷は源頼義(みなもとのよりよし)・義家(よしいえ)を遣わしてこれを制圧しようとする。こうして「前九年の役」のが始まり、秋田・清原(きよはら)氏の助力を得た源氏は安倍氏を破り、安倍氏を滅亡に追いやる。